補綴治療の長期維持を考慮し矯正的挺出術と歯冠長延長術を行った症例を紹介します。
左の写真は旧補綴物を除去したところです。健全歯質は歯肉よりも深い位置にあります。
このままでは補綴物が健全な歯質を囲み込むことができません。
右の写真は歯根を引き上げるためのフックを装着した様子です。
今回は前歯6本分補綴物を新製する予定だったので、仮歯を作成し、仮歯を支えにして、対象の歯をゴムで引き上げました。
矯正的挺出後の様子です。この時点では、根と一緒に周りの歯肉も一緒に引き上げられています。
左隣の歯肉のラインに比べると解りやすいでしょう。
歯冠長延長術を行い、歯肉の高さを修正しました。歯肉縁上に健全歯質を確保することもできました。
健全歯質を囲い込む状態で補綴物を装着することができました。
矯正的挺出(部分矯正) 100,000円(税別)
※別途調整料金5,000円/回が必要となります。
感染歯質(虫歯)を除去した結果十分な健全歯質を得られない状況にはしばしば遭遇します。
補綴治療後の歯根の破折抵抗を有意に増加させるには、高さ1.5~2.0mm以上、厚さ1.0mm以上の健全歯質が必要といわれています。
今回は、健全歯質を得るための一例として矯正的挺出術と歯冠長延長術を紹介しましたが、治療部位や歯根の状況、隣在歯の状況によって適応できない場合もございます。
長持ちするかぶせ物の作成を検討する際にご参考にしてください。
治療名:矯正治療
治療の説明:歯並びと噛み合わせの改善を目的に行う歯科治療。歯に矯正装置をつけて、歯やあごの骨に力をかけながらゆっくり動かしていきます。
治療のリスクや副作用:歯と顎のバランスによってはご自身の歯を抜く場合があります。まれに歯の根が短くなる可能性があります。装置装着後、痛みを感じることがあります(歯が動く正常な反応なので心配ありません)。頬の粘膜・唇・舌などに、口内炎ができることがあります。歯周病等で歯ぐきが下がっている方は、歯を動かすことでさらに歯ぐきが下がる可能性があります。重なっていた歯がきれいに並んだことで歯ぐきと両隣の歯との間に三角形の隙間ができる可能性があります。
治療期間:約1年
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
午後 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
午前:9:00~13:00
午後:14:00~17:30
※祝日のある週の木曜は診療しております。
休診日:木曜・日曜・祝日