かぶせ物を入れるときは、必要な力学的要件について配慮しなければ長期に良好な経過を得ることは難しいです。
今回は歯周処置と矯正治療を併用してかぶせ物を維持するために必要な環境整備を行った症例を紹介します。
一見それなりなかぶせ物が入っているように見えますが、細かく見ると元々の向きがそろっていない歯をかぶせ物で一列にそろえてあります。
元の歯の向きとかぶせ物の歯の向きがずれていることは歯への負担を大きくします。
かぶせ物と虫歯の感染部を除去したところ、歯はほとんど歯ぐきの中に隠れてしまっています。
これではかぶせ物をしっかり支えることができないので、かぶせ物が取れたり歯根が折れたりするリスクがあります。
歯周外科処置を行い歯ぐきの中に隠れている歯をしっかりかぶせ物を支えられるところまで見えるようにしました。
残っている歯の形から類推し、仮歯で元の歯の向きを再現しました。
ばらばらの方向の歯を矯正を行い向きを揃えます。
かぶせ物が維持できる環境を整えてから最終のかぶせ物を製作します。
ただ削ってかぶせるだけでなく、長期維持に必要な要件と現状で不足しているものはなにか、そしてどんな方法で解決できるのか、を考えることが重要です。
そして大事なステップをしっかりクリアすることが大事なので、時間がかかっても治療を最後まで受けていただきたいと思います。
部分矯正治療とかぶせ物で約50万円(税別)
治療名:矯正治療
治療の説明:歯並びと噛み合わせの改善を目的に行う歯科治療。歯に矯正装置をつけて、歯やあごの骨に力をかけながらゆっくり動かしていきます。
治療のリスクや副作用:歯と顎のバランスによってはご自身の歯を抜く場合があります。まれに歯の根が短くなる可能性があります。装置装着後、痛みを感じることがあります(歯が動く正常な反応なので心配ありません)。頬の粘膜・唇・舌などに、口内炎ができることがあります。歯周病等で歯ぐきが下がっている方は、歯を動かすことでさらに歯ぐきが下がる可能性があります。重なっていた歯がきれいに並んだことで歯ぐきと両隣の歯との間に三角形の隙間ができる可能性があります。
治療期間:約1年
治療名:セラミック治療
治療の説明:見た目や噛み合わせなどの改善を目的に、人工の歯(かぶせもの)で補う治療法です。
治療のリスクや副作用:強い力をかけると割れる(欠ける)可能性があります。土台となるご自身の歯を削る必要があります(削る量は材質や個人差によります)。歯の状態によっては神経の治療が必要になる場合があります。治療時に出血を伴う可能性があります。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
午後 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
午前:9:00~13:00
午後:14:00~17:30
※祝日のある週の木曜は診療しております。
休診日:木曜・日曜・祝日